施術症例

1.ぎっくり腰

2.頚部痛

3.五十肩

4.コロナウイルス感染後の倦怠感、うつ

5.腰痛治療で体質改善し妊娠無事出産されたケース

6.右大腿部痛、盲腸傷治療が著効したケース

7.帯状疱疹後神経痛

 

1.ぎっくり腰 35歳 男性 建設業

症状 昨日、子供を自転車に乗せて思いっきり漕いでいたら、その後右腰に痛みを感じた。翌朝痛みが酷くなり、奥様にマッサージをしてもらったら、更に悪化する。ずっと仕事が忙しく休みが無く、疲れがかなり溜まっているところに、久々の休日で家族サービスで頑張って無理してしまったかなと。近所の方で「これではとても仕事に行けない。何とかして欲しい」と体を傾けながら来院する。

 

所見 右腰部椎間関節部のL4とL5に強い圧痛と奥にしこりのような塊。扁桃反応点の耳介後下部天ゆう、左下腹部の腹部オ血点の左大巨、お酒をよく飲まれるので、右季肋部の右期門と右上腹部の右関門、体がかなり疲れているので副腎反応でお臍下部4時8時とソ径にしっかり圧痛有り。背部肝兪の辺り少し盛り上がったように硬く圧痛、右腰部緊張し、右臀部仙腸関節上部の屈伸穴から腸骨稜にかけても硬く圧痛あり。

 

施術 扁桃処置、腹部オ血処置、副腎処置、肝実処置で腹部の所見かなり楽になる。右ソ径の圧痛が少し残ったので、右帯脈で緩めて、伏臥位にゆっくりなってもらうと「朝はとてもこんな動きが出来なかった」と。 背部肝兪の圧痛を左臀部下部の左会陽で取り、右腰部の緊張を仙腸関節上部際の屈伸穴で緩めて、最後に少し残った椎間関節部奥の圧痛しこりのような塊を単刺術でゆっくりとほぐし施術終了。起きてもらうと、少し腰の重たさは感じるが、痛みほとんど無くなっていると。痛みがまだ出るようなら、また来てくださいと告げ、帰られる間際玄関で「不思議だ。痛くない」とつぶやくように首をかしげながら帰って行かれました。

 

 

2.左頚部痛 53歳 男性 ドラッグストアー勤務

症状 1ヶ月前から左頚部に痛みがあった。1年前にも同じ症状があったが、その時は自然に治っていた。今回は次第に左肩甲間部と左腕にも痛みしびれが広がり、整形外科受診。頚椎症の診断で頚部牽引と痛み止め処方されたが、症状改善せず、1週間前から更に悪化する。痛みで横になって寝ることが出来ず、クッションを抱えて坐位で寝ている状態で、ほとんど睡眠も取れていない。ホームページを見て、憔悴しきった顔で来院される。持病は特になし。アルコールは飲まない。とても気を遣って話される方で、ストレスと疲れがかなり溜まっている様子。

 

所見 臥位の姿勢が無理なので、坐位で施術。脈状弱でやや数。交感神経過緊張の為か、頚椎左側上部からずっと下部にかけて、どこも圧痛。特にC6.7からT1.2にかけては痛みが強く、押すと肩甲間部と左腕に放散痛。左天ゆうに強い圧痛、左胸鎖乳突筋緊張、僧帽筋、左肩甲間部圧痛強。頭部オ血で頭頂部周辺圧痛とブヨブヨ感有り。

 

施術 睡眠不足とかなり疲れているので、刺激量過多にならない様気を付けて施術。扁桃処置で曲池2点、頭部オ血処置で頭頂部周辺の圧痛ブヨブヨ数か所に即刺即抜の単刺術、左天宗圧痛の有る軟結の周囲4箇所補鍼。この時点で脊椎の圧痛減弱。筋緊張緩和処置で左胸鎖乳突筋を緩め、僧帽筋が緩む所を左帯脈で探し、そこに微量雀琢。頚部を動かしてもらうと、左回旋は楽になっているが、まだ後屈は辛いと。左肩甲間部FT(フィンガーテスト)でスティッキーになる2か所と左崑崙に切皮置鍼し微量雀琢をしばらく加え、再度後屈してもらうと、今度は楽に出来るようになる。立位になってもらい、体を動かしてもらうと、まだ首の痛みは少し有るが、来た時に比べたら随分楽になったとホッとした様な笑顔が見られる。仕事がなかなか休めないので、次回の休日にまだ辛かったら、また来ますと帰られ、1週間後再来院。前回施術後の夜は久々に横になって寝ることが出来た。まだ朝方首が痛むことがあるという事で、今回は臥位の姿勢で施術。その施術で症状改善終了となりました。

 

 

3.左五十肩 73歳 男性 総合商社管理職

症状 1年前に右五十肩になったが半年位で痛みが無くなっていた。その後、今度は左肩が痛み出し、結髪動作時に肩前外側が特に痛む様になる。最近は夜間痛がする様になり、痛みであまり良く眠れていない。ゴルフで痛めたかなと。特に病気の既往は無いが、血圧は少し高め。便秘症3日に1度。お酒と甘いものは大好きで、毎晩ビール1リットルか日本酒2合は飲む。40代の時右膝蓋骨骨折、現在右拇趾に少ししびれが有る。同じ町内の会長さんから勧められて来院する。

 

所見 まだませだ現役でバリバリ働かれている感じで、声も明瞭力強く体格もしっかりした、如何にも肝実タイプの方。右季肋部にしっかり抵抗感と圧痛、肝経火穴右拇趾付け根の行間にも圧痛。右上腹部の右関門も押すとぐっと声もが漏れるような圧痛有り。扁桃反応点左てんゆう、左胸鎖乳突筋、腹部オ血左大巨、ソ径、お臍4時シュガーポイントにも圧痛。背部左天宗にやや大きめのぐりぐりした軟結。T3.4.5.7とT9.10.11.に圧痛。腰痛も有り、L3.4.5両側にも圧痛と筋緊張が有る。

 

施術 扁桃処置、腹部オ血処置、副腎処置、肝実処置で腹部の所見かなり改善。圧痛が残った右関門に直刺。筋緊張緩和処置で左胸鎖乳突筋を緩め、左帯脈で左肩回りが緩む所を探し、そこにしっかり雀琢。この時点で左腕を動かしてもらうと、まだ少し引っかかるが、痛みは少なくなっている。伏臥位になり、左天宗軟結圧痛を囲むように4点、左会陽で右肝兪辺りを緩ませ、屈伸穴で腰部の緊張を取り、圧痛が残った胸椎にV字刺鍼。坐位になってもらい、左腕を動かしてもらうと、大分いいがまだ肩前面に引っ掛かるところが有ると。左肩引っ掛かりがあるピンポイント1箇所と大腸経ラインなので左合谷に切皮置鍼し微量雀琢をしばらく加え、再度動かしてもらうと「凄い。痛くない」と笑顔。その1週間後再来院。前回施術後の夜は久々に良く眠れた。また少し痛みが戻ってきたと言うので、前回同様の施術。その1週間後にもう一度施術し、症状改善し終了する。

 

4.コロナウイルス感染後の倦怠感、うつ 48歳 男性 会社員

症状  半年前にコロナウイルス感染。発熱、倦怠感、せき、喉の痛みの症状で自宅療養になる。その間、症状が悪化しないか、家族には感染しないか、仕事の方は大丈夫か、など不安な気持ち一杯ですごしていた。2週間ぐらいで症状ほとんど治まったが、倦怠感は改善せず、感染前と比べると集中力が無くなり、睡眠は浅く、肩こり腰痛、そして気分が落ち込む状態が続いている。持病は特に無いが胃腸は弱い方。アルコールはほとんど飲まないが甘いものは好き。体がだるそうな感じで、ホームページを見て来院する。

 

所見 強いストレスが長く続くと、脳の左前頭部の背外側前頭前野皮質(DLPFC)が萎縮し、交感神経過緊張の状態となって、慢性的疼痛を感じやすくなり、免疫力が低下することが解明されています。松本岐子先生はその反応所見として、左前頭部の頭の臨泣、目窓、正営と右下腹部のリンパが集まる回盲部の右大巨、右外稜に圧痛が現れると言っています。この方にもしっかり左前頭部と右下腹部右大巨に圧痛所見が有りました。精神的ストレスの反応として、胸部中央のダン中、みぞおちの巨闕、中脘、扁桃反応点の天ゆう、腹部オ血左大巨、腎虚の反応で腎経火穴湧泉とお臍4時8時に圧痛有り。背部脊椎どこも圧痛が有るが、T4.5が特に強い。肩腰背部カチカチに凝っている感じではないが、押すと重だるいような痛み。脈状やや緊で数

 

施術 胃の気処置、扁桃処置、腹部オ血処置、副腎処置、DLPFC賦活処置で腹部所見かなり改善。ダン中、巨闕、中脘が少し残ったのでヘラ治療と攅竹の置鍼。伏臥位になってもらい、左天宗と股関節周囲の圧痛部3点で腰背部の圧痛を取り、脊椎圧痛が残ったT4.5にV字刺鍼。後頚部のコリに散鍼して施術終了する。術後様子を伺うと「目の前が明るくなり、気持ちが少し軽くなったようだ」と少し眠そうな穏やかな表情。しばらく週1回で通院され、1か月後倦怠感かなり少なくなり、夜が眠れるようになる。その後2週間間隔で3回来院され、ほぼ感染前と変わらない状態に戻ったので、施術終了する。

 

5.腰痛治療で体質改善し妊娠無事出産したケース 33歳 女性 設計士

症状 半年前から腰に痛みがあった.その2か月後に酷いぎっくり腰となり、接骨院、整形外科受診するもなかなか改善せず、こちらに通院中の叔母さんに紹介され来院する。右腰に痛みがあり、背屈不可、前屈も指先から床まで50センチ位とほとんど曲げられない状態。学生時代はバレーボール、20代前半もスノーボードに行ったりと運動はしていたが、最近は全く体を動かしていない。仕事が座ってずっとパソコンを使い、また職場はクーラーが効いていて体が冷え、首肩、腰背部がガチガチに凝って、特に右側の首肩腰が辛くなる。高校時代腰椎椎間板ヘルニア、低血圧で貧血が有り、鉄欠乏性貧血で内科通院中。胃腸は弱い方。季節の変わり目や悪天候時体調を崩しやすく、頭痛、体がだるい、お腹を壊すなどの症状がでる。アルコール、甘いものはほとんど取らない。コーヒーは好きで1日数杯飲む。共働きで子供はいない。

 

所見 仰臥位での腹部所見、何処を押しても触って欲しくないというような圧痛。特に下腹部の腹部オ血の左大巨、恥骨の少し上方婦人科ライン上の気穴と水道、右大巨、ソ径はかなりの圧痛。胃腸も弱いので中脘。アルコールは飲まないが、パソコンで目を酷使しているため、右期門と左天枢にもしっかりと圧痛所見。頭頂部周辺ブヨブヨ感はないが圧痛が有り、花粉症もあるそうなので、神庭から上星にかけても圧痛あり。天ゆう、肩井、副腎反応の4時8時、C3右側に圧痛あり。伏臥位、後頚部が硬く圧痛、右側天柱の下辺りにこぶの様なコリの塊がある。腰部は板の様でL2.3.4.5特に右側の痛みが強い。脈状弱であまり胃の気を感じない。

 

施術 かなり下腹部の血流が悪そうなので、その改善を主眼に置く。胃の気処置、腹部オ血処置、低血圧に対して血圧調整処置、増血処置で三陰交と内関に鍼と灸7壮、腎経と肝経火穴圧痛があったのでその気水穴、右C3に右太敦。この時点でかなり腹部圧痛楽になる。肩井の圧痛を陰陵泉で取り、伏臥位に。左天宗、屈伸穴、股関節周囲穴、仙骨部八りょう穴で腰部かなり緩む。後頚部のコリを委中、飛陽、崑崙でとって起きてもらうと、「首肩が別人の様に軽くなっている」と。腰部を立位で前後屈してもらうと、痛みは少なくなっている、可動域はすこし広がった程度。もう一度仰臥位になってもらい、大腰筋腸腰筋筋膜リリースを行い再度前後屈してもらうと、可動域かなり広がり、施術終了とする。しばらく週1回で通院され、術後週初めは凄く調子がいいが,週後半になるとまた体が固まってしまうと。腹部所見も戻りが見られたが、1か月後位から圧痛が少なくなり、2か月後には腹部を押しても余り痛がらなくなり、それと共に腰の状態も改善していきました。その後は体調管理的に2週に1度の通院をされ、最初の来院から1年半後、「お陰様で妊娠しました。年末出産予定です。以前から子供が欲しかったのですが、やっと授かりました」と突然嬉しい報告を受けました。その後も出産間際まで通院されて、無事男の子を出産されました。

 

6.右大腿部痛、盲腸傷治療が著効したケース 63歳 女性 主婦

症状 半年前から右大腿部前面に痛みが有った。接骨院通院するも改善せず、ここ最近は痛みで歩くのがやっとの状態になってしまい、福祉ボランティアで一緒の方の勧めで来院する。バス停から数分の距離の当院まで休み休み歩いて来たと。ボランティア活動やサークル活動に積極的に参加されている方で、歩けなくなりかなり困った様子。20年位前に盲腸の手術。数年前に右肋間神経痛。後は特に怪我、病気は無い。

 

所見 腰背部の右側胸椎12と腰椎1と腰椎2の椎間関節部に強い圧痛。仰臥位、右下腹部の盲腸傷跡やや赤黒く変色し強い圧痛。下腹部脂肪付着で下垂有り。両ソ径、特に右側が緊張し強い圧痛。右帯脈も硬い。天ゆう、左大巨圧痛、右季肋部いやな抵抗感有り。右胸鎖乳突筋も緊張し圧痛有り。脈状左手生まれつき脈が触れない。右手やや遅で細。

 

施術 胃の気処置、扁桃処置、腹部オ血処置、復溜兪府で疲労回復処置をして、盲腸傷跡の傷治療で右脾経の陰陵泉、商丘を使用し、傷跡の圧痛が無くなるまで陰陵泉の雀琢。この時点で右ソ径と右期門かなり緩む。背部圧痛部の痛みかなり軽減している。右胸鎖乳突筋を筋緊張緩和処置で、右ソ径を帯脈で緩ませて、右横臥位に。屈伸穴、内環跳で腰背部を緩ませ、右椎間関節部FT(フィンガーテスト)でステイッキーになる3か所に切皮置鍼。施術終了し起きて歩いてもらうと、ほとんど痛みなく右足を挙げる事ができるようになる。その3日後再来院。まだ少し痛みが有るがほとんど良くなっていると。同様の施術をして症状改善し終了する。この施術は15年位前のもので、その後は施術に信頼を頂き、定期的に健康管理的に通院されています。

 

7.帯状疱疹後神経痛 61歳 主婦

症状 約1ヶ月前に、左前胸部、肩、肩甲骨周囲に帯状疱疹発症。直ぐ皮膚科受診し、抗ウィルス薬と鎮痛剤カロナールが処方される。疱疹は2週間ほどで落ち着いたが、神経痛は最初は、ピリピリした違和感から、左前胸部、腕をを締め付けられるような痛み、服が少しこすれただけでもヒリヒリピリピリとした痛みに変わっていき、鎮痛剤をタリージェに変えても変化なく、夜眠るとき、左腕を右手でぐっと抑えて痛みを我慢している状態で、よく眠れない睡眠不足の日が続いている。医師から薬の増量とペインクリニック受診を勧められているが、ネットで帯状疱疹に鍼灸が効果ある事を見て、またご家族が以前当院にかかっていたので、来院する。

所見 帯状疱疹の瘢痕部は、触っても特に痛みは無い。ただ服などで刺激をした後やひょっとした拍子にピリピリと嫌な痛みが走ると。免疫力低下があるので、左耳介後下部天ゆうに強圧痛。右下腹部大巨、左母指球の肺経火穴の魚際も強い圧痛。痛みによる睡眠不足、強いストレスがあるので、左足底の湧泉、みぞおちの巨闕、胸骨中央ダン中の左、左胸上部の周栄にも圧痛。歯列矯正、帝王切開をしているので、両ソ径、顎の反応点えい風にも圧痛。左胸鎖乳突筋緊張。 帯状疱疹の治療では、その発症部位に関係する経絡の気水穴治療が効果があるので、その反応点の火穴 左大腸経陽谿は強い圧痛。左胃経の解谿、左三焦経の支こう、左小腸経の陽谷にも圧痛あり。脈状は弱でやや数、胃の気弱い。既往歴 花粉症は20代からで、特に目に症状が強く出て、顔の皮膚が荒れる。30代の時盲腸炎薬のみでオペはしていない。

施術 先ず胃の気処置、免疫処置、八難処置に、帯状疱疹の皮膚の痛みには肩ぐう、左胸鎖乳突筋緊張に対して右丘墟、腎経水穴の陰谷を加える。ダン中。巨闕、左周栄に前頭部正中髪際の神庭をとり、左側の肺経、大腸経、胃経、三焦経、小腸経の気水穴をそれぞれ補鍼。、気水穴、左手三里、築賓には3壮、肩ぐうには11壮の施灸をして、初回の施術をおえる。術後左肩が軽くなった感じがすると。3日後再来院。前回施術後2日間は久々に夜余り痛まないで眠ることが出来た。昨晩はまた痛みがあったが、軽くなってきていると。同様の施術。4日後再来院。あの後鎮痛剤をやめたが、やめても大丈夫であったと。その後1週間おきに3回の施術。その間、左腕を動かすと皮膚が引き攣れる様な感じがするというので、ヘラ治療の左けい脈とろ息を、左肩甲間部のピリピリ感と、読書をよくするのでそれにょる後頭部が凝りに対して、膀胱系崑崙にも火穴反応が有ったので、膀胱系気水穴とイ.ヒ.コンを加える。そして施術開始から。、約1か月で症状ほぼ改善したので、施術終了となる。